ストレングス・ファインダー34資質のひとつにスポットを当て
その強みを使ったワタシのショートストーリーを
お届けするシリーズ「そこにいるワタシ」の第2回です。
今回は「学習欲」(戦略的思考力の資質領域)を
取り上げてみました。
さて「学習欲」の才能を持っている人は
どんな活かし方をしてるのでしょうか?
ストーリーの主役はあなたかもしれません。
「ワクワク」して学んでいたい

「さて、次はこの講座に申し込もう!」
裕子はスマホを手に取り、申込みボタンをポチッと押した。
『スマホでInstagramの写真をお洒落に撮る講座』だ。
3日前、イチゴの可愛いパフェを撮って
Instagramに得意気にアップしたけど、
一緒に行ったママ友の写真に比べ、
美味しそうに見えないのが不満だった。
「ワクワクする~。」
裕子は、講座に申し込んだ瞬間がとてつもなく好きだった。
そんな世界があったのかとか、
そんな事実が隠されていたのかとか、
今まで知らなかったことが、
どんどんわかっていくプロセスを想像しただけで
気持ちが高揚してくるのだった。
* * * * *
裕子は独身時代から、
興味を持ったことは知りたいという気持ちをおさえきれず、
講座に申し込んだり、
体験会に参加するなど、
いろいろな習い事を重ねてきた。
テニス、スイミング、ヨガ、エアロビクス、トレーニングジム、
アートフラワー、イタリア料理、ボイストレーニング、朗読、
エレクトーン、フラダンス……。
100万近くしたエレクトーンを購入し、
講師の資格取ろうとしたこともあった。
子供が小学校に入ってからは、資格に興味がわき、
宅建や、FP2級の資格も取った。
これはそれぞれ1年近くかかり、大変だったが、
講義を聴いているときや、試験を受けているとき、
自分の頭の中が高速回転している感覚が楽しかった。
* * * * *
ママ友からはよく、
『勉強熱心だね。昔から勉強よくしてたの?』
と言われるけど、違う。そうではない。
裕子は学校の勉強が好きだったわけではないのだ。
「社会人になって
やっと学ぶことの楽しさがわかったって
感じなのよね。」
と、裕子はカフェラテを飲みながらつぶやいた。
小学校3年の息子が帰ってくるまであと1時間ある。
スマホを触りながら、今までのことを思い出していた。
* * * * *
幼稚園で働いていたころは忙しかったけど楽しかった。
毎年入ってくる新しい園児との新しい出会いは新鮮だったし、
遠足や運動会、発表会と、毎年毎回新しい企画を立てるのは
刺激の好きな裕子にはぴったりの職場だった。
そんな裕子が辛かったのは、子供が生まれたころ。
本屋へ行きたくて行きたくて仕方がなかった時期がある。
近くの大型ショッピングセンターへの本屋へ行き、
ベビーカーを片足でゆらゆら揺らしながら、
気になる背表紙を見つけては
飢えたようにページをめくっていたものだった。
「とはいえ」と裕子はつぶやく。
「その道のプロになろうとは思わないんだよね。」
「その時々によって、知りたいことって変わるじゃない?」
「今、興味があるコトを学びたいんだよね。」
* * * * *
裕子の学びは、
時間が経過したり、ある程度理解が進むと
最初の熱い想いが薄れてしまうところがあった。
そして、入れ替わるように次の面白そうなことが見つかってしまい
そちらの方に興味が移ってしまうのだ。
いつも新しいことを知りたいために、
何かひとつに固定されるのが嫌だという気持ちがあるからだ。
いつも、好奇心いっぱいでワクワクしていたかった。
「そうしている自分が一番元気だと思う!!」
裕子は微笑みながらカフェラテを飲み干した。
* * * * *
ランチのパスタセットをスマホで熱心に撮っていたママ友が
裕子に声をかけた。
「あれ?今日は写メ撮らないの?
私、先にInstagramにアップしちゃうよ。」
「うん、いいよ。
もうすぐ、この前申し込んだ講座が始まったら、
スマホでかっこいい写真を撮る方法がわかるんだ!」
裕子の頭の中には、講座を受けている時の自分の姿が広がって
ワクワクが止まらないのであった。
「学習欲」の才能を活かそう

「学習欲」の才能を持つ人は、好奇心旺盛で、
いつも学び続けたいと思っています。
知らないことがあるとワクワクして、
それを理解していくプロセスにワクワクして、
いつも成長し続けることを望んでいます。
体験しながら学んでいくので、
戦略的思考力にもかかわらず行動力があります。
ショートストーリーの裕子のように、
好奇心に満ちあふれた「学習欲」の人がいると、
周りのひとにもワクワクが伝わって、
みんな楽しい気分になりそうですね。
「学習欲」の才能を持っている人は、
どんどん活かしてくださいね!
